うしのあゆみ

牛に育てられた人間が、暮らしの有象無象を記します。

土曜日の昼から意志力が低下

9時にアラームをセットしておいたのに、結局、起きて活動を開始したのは11時を回った後だった。遠くに行っている恋人からの連絡に返事をして、軽やかにその地を想った後で、お昼すぎに予約していた美容院に向かうべくして、重たい腰をあげる。

昨日までの雨と風はおさまって、色の濃くなっていく青が覗いているような天気。格子柄のパンツに、深いグリーンのニットを羽織る。

いつもセットしてもらう美容院に通わずして5ヶ月間。空いてしまったのがなんとなく気恥ずかしく、駅に近い、初めての美容院を予約した。カウンターには研修中の女性と、その教育係らしき人が2人、さらに男の人が1人で、お客さんの到着を待っている。土曜日の午後にしては人の入りが少なめ。研修中の女性にカバンとコートを預ける。

予想よりも深めにブロックを入れられたものの、これでセルフカットの痕跡は消えた。後は、引っ越したところで新しい場所を探していけばいい。なんとなく江戸川区が遠くに感じながら、しかし、そういう種類のノスタルジーはこの場所とは水と油なような気がして、さっさと行きつけのパン屋さんに向かうことにした。

店内に入ると「今日はサンドイッチがこれしかなくて」といきなり声をかけられ、ドキリとした。どうしてこの奥方は自分が望んでいるものが分かったのか、あたかも知り合いのごとき受け流しでもって、トングでそのサンドイッチをトレーに収める。カマンベールとクルミのサンドイッチ。ガーリックバターをサンドした小さなフランスパン。

家に帰る間に全部食べきってしまう。引っ越しを考えている会社にメール。さらに知り合いの不動産会社の方にもメール。恋人さんからの連絡にも返事。コーヒーを淹れる。豆があと少しでなくなるから、明日は買いたしに行かなくちゃ。どこのお店にしようか。

 

普段、あらゆる局面において「決定」しているんだけれども、こうして夜になってみると、もう決断を強いるあらゆる物事を無視したくなって仕方がない。本当は仕事をしなくてはいけないんだけれど、あとまわしにしよう。本日は5杯目のコーヒーを淹れても眠い。映画を観ようと意気込んでも、眠くて、意志力をいれる器がぶっ壊れているみたいだ。

手帳に「したいこと want to do」と書き、マインドマップを書き出してみることをしていて、それが今、デスクの右側に放置されたままになっている。したいことはあんまりないのか、それとも思いつかないのか、今日はもう、だから書き出してみるだけで終わる。メモに、ありったけ書いて、あとでそれを管理する。

放置している仕事はもちろんまだやらない。明日は日曜日だから、どこかに出かけたいなんて思いながら、ただいまより、半身浴をしながら本を読むっていうやつをやって、希望物件の条件を書き出したりして、メールを書いてみるっていうのをやる。今日はずっと家の中で、考え事をしながらうろうろし、物件情報を見ては新しい生活を夢見るボーイと成り果ててしまった。

 

西加奈子さんの『i』から、いつか拾って挟んでおいた、枯れ葉のしおりが出てきた。